パイロットスクリューの調整
季節によって調整してやると良いです。
あるいは濃すぎるのをごまかしたり。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
インデックス
0. パイロットスクリューの働き
0-1. どこにあって、何をしているのか
0-2. 規定のもどし量でOK?
1. 濃すぎ、薄すぎる時の症状
1-1. 濃すぎる時
1-2. 薄すぎる時
2. パイロットスクリューの調整
2-1. マイナスドライバーで調整
2-2. 実際に調整
2-3. 調整したら走ってみて
0. パイロットスクリューの働き
0-1. どこにあって、何をしているのか
主に低回転時に燃料(混合気)を供給するスローは、二つの経路 に分かれます。
そのうちの一方の経路の広さを決めるのがパイロットスクリュー。
道を広く開けて燃料を濃くしたり、狭く絞って燃料を薄くしたり。
0-2. 規定のもどし量でOK?
バリオスのパイロットスクリューの 規定の戻し量は 1と3/4回転もどし。
しかし それなりの距離を走った車両は、規定値では薄すぎになる。
バルタイの狂いや、キャブの摩耗による二次エアなどが原因です。
自分のバイクにあった最適な戻し量を探ろう。
また、季節(気温)によっても濃さ、薄さは変化します から一年中同じ設定では、 濃すぎ(薄すぎ)の期間が生じます。
もちろん調整しなくても乗れますが、混合気の濃さがちょうど良ければ力強く加速してくれます。
1. 濃すぎ、薄すぎる時の症状
1-1. 濃すぎる時
○ スクリュー戻しすぎで 濃すぎる時の症状
薄いときと比べるとパワーの低下は感じにくいです。
低回転~中回転域の始めにかけて加速の伸びが悪く、押さえ込まれるような重さを感じるのが特徴的。
回転が上がるにつれてスローの存在感が薄まるので重さは感じにくくなります。
上の方でも重く感じるようなら油面が高くなっている事が疑われます。
1-2. 薄すぎる時
○ スクリュー締めすぎで 薄すぎるときの症状
( だいぶ薄い時 )
出足の加速など、低回転域で特にパワー不足を感じますが、低回転域を超えると急激な加速をします。
低回転域と中回転域以上でのパワーのコントラストをより強く感じるのが特徴的。
( ちょっと薄いとき )
強いパワーのコントラストはほとんど感じません。 低回転域でのパワー不足を少しだけ感じます。
濃い目に少し振ってみた時に、アイドリングの上昇、出足の力強さを体感して、「あ、やっぱり薄めだったんだ…」と気付く感じ。
2. パイロットスクリューの調整
2-1. マイナスドライバーで調整
パイロットスクリューを調整するのは柄の短いマイナスドライバー。
どのぐらい回転させたか分かるように柄の部分には数字を書いておくと便利。
パイロットスクリューは 締め込むほど混合気が薄く、戻すほど濃く なります。
1/6~1/4回転ぐらいづつ 動かして調子を見ます。
基本、全ての気筒の戻し量は等しくします。
濃いほうから薄いほうへと探っていくのが正しい手順。 薄すぎるとガソリンの気化熱による冷却が弱まりエンジンが高温になってしまうからです。
でも、そこまで神経質にならなくても大丈夫。 薄いほうから濃いほうへ探っていくほうがパワーの違いを感じ取りやすいと思う。
2-2. 実際に調整
上の写真は 車体左側、1番のパイロットスクリュー を調整しているところ。
覗き込んだり出来ないので 手の感覚だけでスクリューのマイナス溝にドライバーを差し込みます。
上で書いたとおり、規定は一番締めこんだ所から1と3/4回転もどし。
しかしこのキャブは2回転半もどしでも少し薄いぐらい。その辺りから徐々に戻し量を増やして調子を見る作戦。
2番 は奥まっていてもっとも面倒なところ。
エンジンが熱い時は左手に手袋が必須です。 顔を近づけ覗き込み、穴にドライバーを突っ込む、 写真のように左手でドライバーの下を支え、右手でドライバーを回す。
車体右に回って3,4番 を調整。 こっちは簡単!
2-3. 調整したら走ってみて
エンジンをかけると 上手くいけばアイドリング時の回転が上昇します。
ま、実際に走ってみるのが一番いい。
私の場合は薄いほうから濃いほうへと調整するので主に低回転域でのパワーに注目します。
走り出しの力強さ、低速コーナーからの力強い加速をより感じるようになったら上手く行った証し。
徐々に戻し量を増やしていき、一番調子の良いところを探ります。
調子に乗って濃いほうに振りすぎると加速時に押さえ込まれるような重さを感じます…、そんときゃ締め直し。
スパークプラグの焼け具合も調整の目安になる? 白ければ濃く、茶色なら薄く。