『AHLピストンリング STDと+0.25サイズ』

AHLピストンリング STDと+0.25サイズ

4気筒分でたったの2,000円という目を疑う激安ピストンリングを購入、使ってみた。

純正が1気筒分3,200円程度、4気筒で13,000円程度だから安いにもほどがある。

※ 個人的な感想です。 参考程度にご覧ください。

0. 激安ピストンリング 到着

ZXR250用ということで購入。

専用設計ではないっぽいがシリンダー径49mm用 なので大丈夫だろう。

シリンダー径48mm用なのにZXR250用と謳っているものもあったので気をつける必要がある。

1. AHL ピストンリング の 品質チェック

1-1. コーティングあり
1-2. 張力にバラつきあり
1-3. さては検品してない
1-4. 合口クリアランスやや広い
1-5. 断面は単純な形状

1-1. コーティングあり

トップリングにはしっかり黒いコーティングが施されてます。

一般的にトップリングには耐摩耗性を高めたり、初期なじみを良くするために施されているものです。

激安だけど一応しっかりしてるみたい。

セカンドリングはコーティングがありません。純正にはあるんだけど。

1-2. 張力にバラつきあり

一方の合口をそろえて並べてみた。他方の合口がバラバラですね。

このままギュッと縮めてみると合口のバラつきが小さくなる。 ということは、長さが著しくバラバラって事じゃない。



リングの張り出し具合にバラつきがあるんです。
シリンダーに強く密着するもの、そうでないものが出てきてしまいます。

こちらは中古の純正トップリング。
張り出し方が均一だと合口はほぼ揃います。

AHL セカンドリングの方はほぼ均一でした。

1-3. さては検品してない

シリンダーにはめてみたら長すぎるトップリングが一つ。 合口が重なってます。

合口を削って長さを調節。 はめてみたけど、なんだこりゃ！
隙間ががっつり開いてる！

よく見たら明らかに不良品。 合口がズレてる。

検品してないってことだな。

1-4. 合口クリアランスやや広い

不良品の一つを除いて AHLのトップリングをシリンダーにはめて合口のクリアランスを計測。

バリオスの規定値は0.10～0.25mmですが、計測すると0.25～0.27mm。
このAHLのトップリングは新品にも関わらず少しクリランスが広いですね。
5万km使用の中古純正リングが0.24mmだったのでシリンダーは正常ですよ。


しかし、このクリアランスだけを持って "使えないもの" とは言えないかもしれない。
リングは張力が大事なのであってクリアランスはその劣化具合を示す目安に過ぎないという話があったので。 合口が多少広くても張力が十分ある新品であれば役目を果たすらしい。 下に2ndリングもあるしね。


セカンドリングの合口クリアランスは規定値内でした。

1-5. 断面は単純な形状

AHLのトップリング、セカンドリングの断面形状を見ると レクタンギュラリング です。 最もベーシックな四角形タイプ。

オイルを掻き出す能力を高めたものや初期なじみを向上させたものなど様々ありますが、レクタンギュラだから悪いってわけじゃありません。

バリオスの純正トップリングを見ると、上面インナーベベルリング になってます。
圧力を受けたときリングがねじれることでオイルを掻き出す能力が高まる、というもの。

純正 セカンドリングはマニュアル見るとテーパーフェイスリングっぽい。 中古のはどう見てもレクタンギュラだが。

2. AHL ピストンリングを使ってみた

2-1. +0.25サイズ 追加購入、加工

STDサイズは不良品があったし、トップリングのクリアランスが少し広めで気分的に良くない。

という事で、シリンダーボア49.25mm用、AHLの+0.25mmサイズリングを購入した。
こちらは3,000円だがまだまだ激安だ。

写真の通り、トップリングの張力はけっこう揃ってるみたい。 不良品もなし。よかった。

+0.25mmサイズでは当然長すぎるので 合口をやすりで削って適切な長さに加工する。

また、純正と同じようにエッジを削って 上面インナーベベル形状に加工。 後から知ったが合口辺りは深めに削った方が "ねじれ" がより均一になるらしい。

2-2. AHL使用感 と まとめ

使用したピストンリング
TOP： AHL +0.25サイズリング (自前加工あり)
2nd： AHL STDサイズリング (加工なし)
OIL： AHL STDサイズリング (加工なし)


腰上、腰下OHの際にAHLピストンリングを装着。

普通に、と言うかOH 前よりも力強く走ってます。

オイル上がりもありません。 ピストンリングとしての役割を果たしているようです。



まとめる。
・ 激安だけどちゃんと使える。今のところは。(走行1万5千km弱 2019年4月現在)
・ 検品は不十分。精度にバラつきあり。2セット分購入した方が良いかも。
・ 日本製のような安心感は無い。冒険家向け。でもそのうち恐怖心も無くなる。