『バルブ鏡面化』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


バルブ鏡面化


バルブヘッド周辺の梨地を鏡面にする事で空気抵抗を減らし、吸・排気効率を向上させる。
鏡面にすることで混合気が乱流とならず、層流になってしまうとかで是非もあるようだが、

そもそも私が狙うのはカーボン堆積の抑制。

前回のOH同様にエンジンを閉じても進歩がないので挑戦してみようと。


※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。



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1. ヤフオクで入手


ヤフオクでシリンダーヘッドを入手、それについていたバルブ。

カーボンがごっそり! 吸気側とは言え、どうやったらここまでなる。

かなりの吸気抵抗になっていたに違いない。



これらのバルブを鏡面化していきます。


2. 鏡面化のやり方


使用するツールは、
1. 電動ドリル
2. マスキングテープ
3. サンドペーパー(各種)
4. 艶出し研磨剤
5. 磨き用の布


やり方は、
バルブのステムガイドと接触する部分はマスキングして、ドリルに装着。
左手で紙やすりを持ち、右手でドリルを操作、というラフなスタイル。


3. 排気バルブの鏡面化

3-1. 40番 空研ぎペーパー


#40ペーパーを掛けると黒かった表面が削れ、シルバーになりました。

付着してたカーボンなんか簡単に落ちちゃいます。

メタルクリーンαよりヤスリとドリルを使った方がクリーンになります。


注意点:

! バルブシートとの当たり面は削らない。
バルブシートとの当たり面は形状が変わるほど研磨したり、深い傷を付けると圧縮が漏れます。
ここは一段落ちる形状なのでここを避けて作業するのは簡単でした。

! サンドペーパーは小刻みに動かす。
あとドリルの回転はあまり速すぎない方がまんべんなく綺麗に削れます。


3-2. 60番, 150番 空研ぎペーパー


60番で表面の粗さがやや落ち着く。
150番で少し綺麗に。


3-3. 240番, 400番 空研ぎペーパー

240番でさらに少し綺麗に。
400番でピカッとしてきた。


3-4. 800番, 2000番 耐水ペーパー


800番で一段とピカピカに。
1000番も1500番も切らしてた…、やむなく2000番。 艶が出て綺麗に。


3-5. 固形ピカール, マザーズマグポリ


最後に固形ピカール、マザーズマグポリで仕上げました。

一段と艶やかになって完成!


4. 吸気バルブ 鏡面化


吸気バルブも鏡面化しました。

やっぱり 吸気バルブの方が軟らかくできているので作業が楽。


排気バルブが硬くて難しいかと言うとそんな事はありませんが、

より簡単な吸気側は後回し、初めの気力十分なうちに排気側を仕上げてしまう方が良いです。



5. 仕上げ直し


ずっと作業してると気力が失われて雑になっていきます。


『線』はまんべんなく磨けていない証。
ドリルの回転を落とすかペーパーをもっと素早く動かさないと。

『凹』はバルブによってあったり、なかったり。
これは鬆(す)か? このぶつぶつはダイヤモンドやすりをあてがって深めに削る事で平らにする。


こういう仕上がりが悪いものは磨き直しました。


6. バルブ鏡面化 完了


16本すべてのバルブを磨き終えました。 けっこう時間が掛かります。



燃焼室側はカーボンを削り落とすだけで鏡面化はしませんでした。

燃焼室内の凹凸を出来るだけなくす事で冷却損失(つまり燃焼圧力の損失)を防ぐ、という理論がありますが、ヘッドの面研をするわけでもないのに削ってしまうと圧縮比が下がってしまいます。

どっちにしても街乗りでは関係ない話なので手を付けない事に。




磨く前と後。 綺麗になりました。




7. 失敗:カーボンによる打痕を発見


バルブすり合わせ作業に入った所でカーボン噛みによる凹み(打痕)を発見…。
メタルクリーンαは使わなかったし、当たり面は磨かなかったので真っ黒のままで気付けなかった。

鏡面化作業に入るまえに当たり面の汚れを落として状態をチェックすべきでした。
コンパウンドを付けてバルブシートに軽くこすればここの汚れは簡単に落ちます。


圧縮漏れの原因になり得るこの傷、バルブすり合わせで削り取るのは大変だし、削れば当たり面の幅はより限界に近づく。

なので 予備のバルブに交換、鏡面化作業をやり直すはめに。



8. 危険:作業時の巻き込み


作業時の注意点、布を使った磨きは巻き込みの危険があります!

マスキングしたテープに布が巻き付き、一瞬で済みましたが、かなり強いトルクで指を引っ張られました。
指ごと巻き込まれると脱臼や骨折の恐れがあります。

布はたるみを作らず、指に絡めないように!

同じ理由で 軍手をして作業するのも危険 です。




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