『簡易式ボアゲージでシリンダー径は測定できるのか』

簡易式ボアゲージでシリンダー径は測定できるのか


ほとんど出番の無いボアゲージ。

セットでめちゃくちゃ安い のがあったので買ってみた。

簡易式らしいが、どんなもんだろう…



※ 個人的な感想です。 参考程度にご覧ください。


広告


1. さっそく使ってみる


さっそく使用してみます。

1. ボアゲージの先端部分を縮め、潤滑したボア(シリンダー)に入れます。


2. 柄の終端にあるツマミを回して、ボアに挿入した先端部分を固定します。


3. ボアの径に固定された先端部分を マイクロメーターで測定する。


んで、測定値は48.98mm、いや、ありえない数値...。

新品でも49mmはあるし、ましてこのシリンダーはそれなりに摩耗しているんだから49mmより大きくなきゃおかしい。



2. ちなみに規定値

○ シリンダー径

(規定) 49.000~49.012mm
(限界) 49.100mm

測定方法をざっと書くと、

摩耗には偏りがあるので、サイド to サイド 2箇所、フロント to バック 2箇所の全4箇所を測定。

いずれかが限界値を超える場合はシリンダー交換。



3. 簡易式ではきびしい

結論

結論としては、簡易式ボアゲージでは精密な測定は無理。



問題点


問題点 1.  ボアゲージが斜めになっていないか、確認のしようがない。

問題点 2.  固定用ツマミを回すときにボアゲージが微妙に動いてしまう。

問題点 3.  ボアからゲージを取り出すとき、固定した先端部分がわずかに動く。

問題点 4.  マイクロメーター測定時に滑ってゲージが斜めに。正しく測定できない。


それぞれが小さい誤差でも積み重なったりして測定値が大幅におかしくなる。

そもそも1/100mm以下を気にするような場合には1つの問題も看過できない。



4. ボアゲージなんて必要ない


ダイヤルボアゲージなら誤差も少なく済む。けっこうコツがいるらしいが。

安いもの(DIY用)なら8,500円程度。 でもエンジンOHとなると交換部品で費用がかさむから、欲しい時ほど無駄な出費に感じてしまうね…。

もうそういう人は 基本的に買わなくていい と思います。

コンロッドの大端部ボア、カムシャフトやクランクの軸受けもほとんど減らないし。
プラスチゲージでクリアランスチェックすれば良いんだし。

シリンダー径も新品ピストンリング押し込んで合口のクリアランス測ればシリンダーの摩耗具合がどの程度か分かるからさ。




広告

関連:
腰上のオーバーホール

↑ PAGE TOP