『カムチェーンテンショナーの交換』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

カムチェーンテンショナーの交換



カムチェーンの張りを維持する部品です。

劣化するとカムチェーンが弛み、エンジンがガラガラ。

アッシーで注文せず最小限のコストで済ます。



※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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インデックス

0. テンショナー正常時、劣化時
1. 注文すべき部品
2. ASSY注文せずテンショナー復活
   2-1. 圧入されたカラーを切断
   2-2. 部品の注文
   2-3. パテ埋めして完成
3. テンショナーの組み立て方
4. 車体に取り付ける
   4-1. 劣化したテンショナーを外す
   4-2. 新しいテンショナーを取り付け
5. 潤滑不良の解決メンテ



0. テンショナー正常時、劣化時


劣化したカムチェーンテンショナーはロッドの固定が利かず、カムチェーンが暴れるためガラガラ音が出る。

正常であればロッドは縮むことなく固定され、カムチェーンは張りを維持する。

(かなり大げさに描いてます。劣化してもあんなにロッドは縮みません。)



1. 注文すべき部品



テンショナーは基本はASSY(※)で注文、

でも本体に圧入されている部品を外せれば、最小限の部品交換で節約できそう。

やってみよう。  (※、アッシーとはバラでない組み立て済みの1セット。)


#1. スプリング … 使いまわす。 縮んでたら伸ばせばいい。
#2. スプリング … 使いまわす。たまに磨り減ってることもありますが折れそうでなければ大丈夫。
#3. ロッド … 交換。 リテーナーと擦れて磨耗、押さえが利かなくなる。
#4. リテーナー … 交換。 ロッド、カラーと擦れて磨耗、押さえが利かなくなる。
#5. カラー … 交換。 リテーナーと擦れて磨耗、押さえが利かなくなる。
#6. Oリング … 使いまわす。たかがオイルシール。
#7. 本体 … 使いまわす。これ単品では売っていません。基本は劣化しない。
#8. ネジ … ただのネジだ。



2. ASSY注文せずテンショナー復活

2-1. 圧入されたカラーを切断


本体に圧入されているのは カラー、これが外せないから基本ASSYになる。

テンショナーを固定...、切断砥石でキュイィィィィィィーン......切れた!

カラーをウォーターポンププライヤーで潰しながら掴んで外す。



2-2. 部品の注文


注文する部品は3つだけ。

カラー:536円 + リテーナー:903円 + ロッド:620円 = 合計:2059円

ASSYは2700円ぐらいだから あまり節約になってないね…。

(いずれも2012年当時の価格)



2-3. パテ埋めして完成


カラーは上部がテーパー状になってる。上下に気をつけないと。

カラーを下に置いて本体をかぶせ、その頭をカナヅチで叩いて圧入しました。

切断した部分を金属パテで埋めてヤスリ掛けして完成!



3. テンショナーの組み立て方


カムチェーンテンショナーは必ず組み立ててから取り付けます。

ASSY注文だと組み立て状態で届きます。



1. 本体のネジを緩め、ロッドに長いバネを入れてこの状態でスタンバイ。
リテーナー(UFOみたいな輪っか)はこの段階では別に無くてもいい。



2. 手のひらで握って押し込む。 ロッドが上まで到達したら空いてる手で本体のネジを締め込む。
ロッドの凹みにネジが噛むとロッドが奥に固定されます。



3. リテーナーをロッドの奥に押し込み、大きい方のスプリングもセットして完成。



4. 車体に取り付ける

4-1. 劣化したテンショナーを外す


テンショナーは右側エンジンカバーの上、取り外しは 8mmのレンチで外すだけ。

バネの力で浮いてくるから押えながら緩めて、 あとは手でボルトを回し取ると効率的。

外したテンショナーを再使用するつもりならまずプラスネジを緩めておく。 外してからだときつい。


4-2. 新しいテンショナーを取り付け


テンショナーはオイルであまり潤滑されない場所にある。

まずは内部にオイルを塗布すると良い。何なら組み立て前にグリスアップ。

取り付けは テンショナーを押し込みながらボルトを締める。



忘れずに ネジを緩め、「バチンッ」、のあとネジを締め直して完了。


交換しても短期間でまたガラガラ言い出すようなら、カムチェーンガイド、腰下を開けてカムチェーンを交換しましょう。



5. 潤滑不良の解決メンテ


上にちょろっと書いた通り、このカムチェーンテンショナーは構造上、潤滑不良になりやすい。

クランクケースの一番上にあって、ロッドとクランクケースの隙間はごく僅か。これではオイルが飛んできても金属同士が接触する部分にまで浸透しない。部品の劣化は早まる。

もう自分でエンジンオイルを足してやろう。
上から溢れるくらい入れたらネジ締め。 ロッド内にオイルが満ち、走行とともに少しずつ溢れる。これで接触部分は潤滑されるはず。定期的にやれば長持ちするだろう。



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