カムチェーンガイドの交換
エンジンがガチャガチャうるさい。
古い車両の場合、カムチェーンの伸びを疑った方がいい。
しかし、カムチェーンはクランクケースを割らないと交換不可。
ひとまずの措置としてカムチェーンテンショナーとガイドの交換でごまかせる事も。
エンジンは降ろさず、右側エンジンカバーを外して隙間から交換できます。
※ ジャンクエンジンを使用して解説します。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
0. カムチェーンガイドはこんな感じ
カムチェーンガイドは2本。上の赤いラインの所と青いラインの所に存在します。
青のガイドは置いてあるだけだが...
赤のガイドは "しなる"。
カムチェーンテンショナーが力点となり、ガイドに作用、カムチェーンを押し込む仕組み。
カムチェーンが暴れないようにテンションを掛けて抑える役割がある。
この しなる方のガイドを交換するだけで十分 かと思います。
しなっている方のガイドは上のように組まれています。
シーソーみたいに動くのが テンショナーレバー という部品。
その部品のボルトの所に、後ろからスペーサーが入っています。落とさないように注意。
ガイドには上下があります。 突起が手前に来るのが正解。
では実際の作業。
1. カムチェーンテンショナー、右側エンジンカバーを外す
・カムチェーンテンショナーを外します。 → こちら。
・右側エンジンカバーも外す。 → こちら。
エンジンカバーの合わせ面のガスケットは基本交換なので予め用意。
2. しなっている方のガイドを交換
2-1. ガイドをフリーに
ガイドを固定する2つのボルトを外します。
上のボルト:シリンダーヘッド外側。ここは六角6mmで。
下のボルト:エンジン内部。ここは12mmレンチ、延長ソケットが必要か。
(写真はヘッドカバーやクラッチ板やらいろいろ外れてますがもちろん外さなくてOK。)
2-2. テンショナーレバーを外す
ガイド下部に付いているテンショナーレバーを外す。 レバーの突起は奥から手前に入る形。狭いけど簡単。
写真のテンショナーレバーは約20万km使用したもの。
だいぶ磨耗してる。 これは換えないとガイドへの押しが弱くなる。
2-3. ガイドを引っ張り出す
スペースが狭いのでコツが分からないと知恵の輪状態に。
ガイドを引き抜くには上の状態がベストポジション!
青いラインのようにガイド上部が垂れていると抜けません。
ガイド上部は赤いラインに沿うような感じで。手前にひねって、ガイドを引き抜く。
ベスポジを上から見た状態。 ガイド上部は車体前方に垂らさない。
2-4. 新しいガイドを装着
装着は逆の手順です。
1. 潤滑した新しいガイドを挿入。
2. ガイド下部にテンショナーレバーをセット。(ボルトはまだ締めない。)
3. 先にガイド上部の固定ボルトを締める。
4. テンショナーレバー固定ボルトを締める。
これで完了。
知恵の輪状態に陥らないために、
ガイドを外す時に、”どのようなポジションで、どのタイミングで、どのように力を加えたか” をしっかり記憶する。
その逆の手順がしっかりできると挿入がスムーズにいく。
3. しなっていない方のガイドを交換
しなっていない方のガイドは手間が掛かる。
以前、パルシングローターを外して下から引き抜こうとしたんですが無理でした。
エンジンヘッドカバーを開けて上から引き抜くしかありませんが写真の通りカムスプロケットが邪魔。
あまり重要なガイドじゃないので ついでに交換するのが良いでしょう。
バルブクリアランスの調整の時とか、腰上OHの時とか...
うろ覚えですが上からペンチなどで引き抜けたと思います。 装着は差し込むだけ。