コンロッド鏡面化・軽量化
コンロッドの表面をツルツルにすると応力が分散、結果、強度が増す。
けどそんな事はどうでも良い。エンジンのパワーを上げる予定はないし。
一番の目的は1~4番まで重量を揃えること。
重量を揃えるとスムーズな回転になる。
ついでに少し軽量化してみる。
慣性力が低下すればレスポンスは向上する事になる。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
0. バリオス純正コンロッドについて
0-1. まさかの重量揃ってる
バリオスのコンロッドは重量による区分があり、F, G, Hの3種類が存在します。
このアルファベットは印字されており、コンロッドの上下を合わせると現れます。 写真のものは G でした。
んで、重量を測ってみると106.8g、106.8g、106.8g、106.7g。
1~4番までほぼ 106.8g で揃ってる…。
う~ん、さすがレーサーレプリカのエンジン…。
それなりに研ぎ澄ましてあったエンジンに感心と嬉しさを覚えつつ、一番の目的を削がれた喪失感が湧いて来る。
仕方ない、1/100 g単位で揃えることにしよう。
0-2. 印字 H のコンロッドはハズレ?
ヤフオクで 印字 H のコンロッドを購入。 パーツリストを見るとバリオス初号機の91年式にしか使用されない物。
見るからにゴツくて、測ってみるとやっぱり重い。 111.51g、112.03g、112.16g、113.06g。
重量もバラバラだが物の出どころの詳細が分からないので何とも言えない。しかし印字 Hのコンロッドは92年式以降は使われなくなった所を見ると芳しい物でないのかも。
エンジン開けて H が出てきたらハズレかもね。
1. コンロッド軽量化
さて無駄な部分を削ぎ落として軽量化してみる。
1-1. 小端部下の突起
コンロッドを見ると明らかに必要なさそうな突起が小端部の下にある。
初めはピストンの位置決め用かと思ったが違うようだ。
四輪含めさまざまなコンロッドを見てみると、
一般的なコンロッドは、 小端部と大端部で水平を取って加工してあるみたいだが、
バリオスのコンロッドは、この突起と大端部で水平を取って加工されていて、その分、小端部は小ぶりに作られている。
四輪にはさらにこの突起を削りこんだようなものもあったので 削っても大丈夫だろう。
ということでグラインダーで小端部の下の突起を削りました。
この後さらに削り込み。
1-2. 小端部のオイル溜まり
小端部の頭に凸部がある。 ここはピストンピンにオイルを供給すための穴。オイル溜まり。
このような凸部が無く、ツルっとしているタイプが一般的だから無駄に見える。
強度的に削り取っても問題なさそうなのでグラインダーで凸部を削りました。
しかし削り取ったことで穴の入り口がテーパー状でなくなってしまった。
このテーパーがオイルを溜める上で重要な役割を果たすという説がある(あった?)ようで、このままではまずいかも…。
なんとかテーパーを復活させよう。
という事でダイヤモンドやすりでテーパーを復活させました。
ちなみに鉄鋼用ドリルでは刃が負けてしまいます。
ここまでで1gの軽量化です。
1-3. 刻印 消し
コンロッド表面の立体的に刻まれた文字や数字、明らかに無駄なので削り取る。
超硬バーでは歯が立たないらしいですが、ドリル、棒、そこにサンドペーパーを巻いたもので挑戦。
削れる! …最初のうちだけは。 凸部が削れて面が出てくるにしたがって削れなくなっていきます。
熱中してると気付かないけど めちゃくちゃ時間の掛かる作業。 その割に重量はほとんど落ちない!
んで結局、諦めた。 ちゃんと削った物、一部だけ削った物、ほとんど削らなかった物とバラバラです。
ちょっと削り過ぎた 部分 (矢印)もあって、このあと修正したけど指でなぞるとまだ分かる。
このままでも...、と思ったが心配になって同じ印字Gのコンロッドをヤフオクで入手、やり直し。
2. コンロッド鏡面化
強度UPという点において鏡面化を否とする意見もありますが、更なる軽量化のために実施します。
強度UPだけを考えると 正面部分を磨くだけで十分らしい。 コンロッドは側面方向にグニャっとは行かないからだ。
側面まで鏡面化した先輩諸氏のブログを見ると、「ものすごく大変」、「やるんじゃなかった」などの意見が多い。 側面は手をつけない方が良い。
ダイソー400番サンドペーパータイプのディスクで荒削り。 表面の梨地を削り取る。
金属磨きのディスクで番手を上げていき研磨。
青棒で磨いて完成。
ちょっと仕上がりが粗いね。 ベルトサンダーとかあると良さそう。
でも 表面の梨地を削って 0.7g 軽量化。
3. 完成、走ってみて
3-1. 完成
さらに細かく研磨、最終的に104.45gに。
まだまだ削る余地がありますが工具が揃っていないと削り過ぎの危険があるのでこのぐらいにしておこう。
106.8g → 104.45g。 2.35g の軽量化となりました。
もちろんこの重量で1~4番まで1/100 g単位で揃えました。
ちなみにコンロッドボルト、ナット、子メタルの重量は1/100g単位でもほぼ揃っていたので手を付けず。
3-2. 走ってみて
2018年7月装着。
以前より回転が鋭くなった!
…… 気がする……。
実際は分からないけど、軽くなったんだからごくわずかでも今までよりは良くなっているはずだ。
メインメタルも交換して、ピストン類も含めて重量を揃えているので回転はスムーズに。これは以前が酷かったんだな。
あとは壊れなければ成功。