『ホイールベアリングの交換』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


ホイールベアリングの交換

フロントハブのダストシール


ホイールの中央についているベアリング。

指を突っ込んで ガタガタする場合は交換 です。

アンカーボルトを使用してベアリングを抜きました。



※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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インデックス

1. ベアリングの摩耗による症状とチェック方法
   1-1. 走行中に感じる症状
   1-2. 整備中に感じる異常
   1-3. ベアリングの摩耗をチェック
2. アンカーボルトでベアリングを抜く
   2-1. 作業の概要
   2-2. 使用する工具
   2-3. アンカーボルトを食い込ませて固定する
   2-4. ベアリングを抜く
3. 劣化したベアリングを観察
4. ベアリングを入手
5. ベアリングを圧入する
6. ベアリング打ち込みすぎ注意



1. ベアリングの摩耗による症状 と チェック方法

1-1. 走行中に感じる症状


・フロントが暴れる

...らしい。 正直、走行中に異常は感じられなかった。

フロントホイールが ぐにゃんぐにゃん するように感じる現象があったが、
燃料タンク内のガソリンが路面の影響で回りだすと起きるらしい。 ベアリングとの関係は無さそう。



1-2. 整備中に感じる異常


・ホイールバランス調整中に暴れる

フロントタイヤ交換、ホイールバランスを取ろうと タイヤを手で回すと軸がブレてガタンガタンと暴れ出した。

「油切れか?」と思いホイール中央に注油するとスムーズに回るように。
「よかった直った!」と思ってそこから何万kmもそのままに。



1-3. ベアリングの摩耗をチェック

フロントハブのダストシール


ホイールの中央にベアリングがある。チェックしてみる。

ダストシールをぺりっと剥がすとベアリングを確認できる。


ガタ付くベアリング

画像を加工、gifアニメで再現してみた。

ベアリングの穴に指を入れて左右に、異常がある場合はガタガタします。


○ ホイールを外さないチェック方法:
  1. ブレーキキャリパーを外す。
  2. ジャッキアップ。
  3. ホイールを左右にひねる。

これでホイールが左右にガタガタと動くなら異常。 ベアリングが摩耗してます。



2. アンカーボルトでベアリングを抜く

2-1. 作業の概要

アンカーボルトを使用した仕組み


ベアリングは圧入されてるので簡単には抜けない。

ベアリングプーラーを使うのだが、出番が少ない割に高い工具、

アンカーボルトを食い込ませ、反対側からカナヅチで押し出す方法で安く済ませる。


プーラーを購入する場合は ”内掛け式、ベアリング外径35mm以上に対応” するものを。



2-2. 使用する工具

ベアリングを外すのに用意した道具


使用した道具は以下のとおり。
● マイナスドライバー
 ダストシールを外すために使用した。
● テーパー状のペンチ
 ベアリングの手前にある留め輪を縮めて外すために。(本来はスナップリングプライヤーを使う。)
● アンカーボルト
 こいつをベアリングに食い込ませる。 ホームセンターで買いました。
● 金属の棒
 反対側から叩くので適当な長さの棒。(用意したのは60cmぐらいの。長すぎたかな...)
● カナヅチ
 これで叩く。



2-3. アンカーボルトを食い込ませて固定する

アンカーボルト セッティング(下から)


アンカーボルトを少し広げて、ベアリングの位置に来るようにセット。

写真は室内ですが本番ではコンクリの地面でやりました。 フローリングでは不可です。


アンカーボルト セッティング(上から)


では 手加減せずガンッガンッ叩いて食い込ませましょう。

食い込みが甘いと肝心のベアリングが抜けずにアンカーだけ抜けちゃいます。

失敗してもこのアンカーボルトは再使用可能ですから気楽に。 開いた部分を潰せば元に戻ります。



2-4. ベアリングを抜く

外れたベアリング


アンカーがうまく食い込んだら ホイールを立てて棒をガンッ、ガンッと叩く。

圧入されてるベアリングが徐々にせり出す感覚は気持ち良い。

ベアリングがみごとに抜けました。



3. 劣化したベアリングを観察

内部が錆びたベアリング


ベアリングの蓋を外してみた。

グリスが茶色い! 錆びの色だ…。 こりゃボールも擦り減るでしょう。ガタ付くわけです。


外れたカラー


あ、ベアリングの奥にアクスルシャフトの通る筒、カラーが入ってました。



4. ベアリングを入手


ベアリングは汎用品です。 純正部品で取り寄せると割高になります。

外したベアリングを見るとメーカー、型番が書いてあるのでチェック!


型番の数値が造りとサイズを、 アルファベットがシール形の種類を示している。
それぞれのシール形は以下のような特徴がある。

ZZ (Z)LLB (LB)LLU (LU)LLH (LH)
摩擦トルクやや大
防塵性良好ZZより良好最も優れるLLBより優れる
防水性不適不適極めて良好良好
高速性開放形と同じ開放形と同じ接触シールによる限界ありLLUより優れる
許容温度潤滑剤による-25~120℃-25~120℃-25~120℃

(カッコ内の Z, LB, LU, LH が片側にしか蓋の付いていないもの。)


NTNのベアリング 型番 6202LLU


んでチェックすると、NTNと言うメーカーの6202LLU だってさ。

ほい、注文しました。ホイールの左右交換するので2つ。

ホームセンターだとLLU形はあまり置いてません。
ZZ形はよく見かけます。間に合わせにそれをつける人もいるようです。



5. ベアリングを圧入する

ベアリングを打ち込む


ベアリングは圧入する。

ソケットの様なものをあてがってカナヅチで均一に打ち込んでいく。

写真ではソケットを真ん中においていますが、実際はベアリングの周囲を均一に叩いて入れていきました。

ベアリングのオレンジの部分は蓋、力を加えると歪んでしまうので気をつけて。



6. ベアリング打ち込みすぎ注意


”音が変わるまで打ち込む”
そう複数のサイトにあったので、左右ともこれ以上入らない所まで打ち込んだ。

しかし、 おかしいことに気付く。

ベアリングの中央が固定されて回らなくなってる! これじゃベアリングの意味が無い!

見てみると ベアリングがカラーに接触して動きが阻害されているようだ。



水色部分は空洞。

赤い矢印の方(車体左側)は カラーに接触しない程度の隙間を作る必要がある。

青い矢印の部分がカラーを支えてくれるのでカラーは落ちずに中央に固定される。


仕方なく、もう一度アンカーボルトで抜いて、今度は入れすぎないよう打ち込みなおし、完了。


※ ベアリングが接触しないようにカラーを少し削ってしまうのも手かもしれないな。
※ バリオス以外の車種については上記の注意事項は関係ないか。そもそも私のバリオスは中古なのでカラーが純正でない可能性もある。



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