『ブレーキキャリパーのオーバーホール(フロント) (1/2)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


ブレーキキャリパーのオーバーホール(フロント) (1/2)

バラしたキャリパー


キャリパーOHは結構簡単。 フルード交換+α ぐらいの手間。

今回は約2年ぶり。

最近フロントにゴリゴリ感(ジャダーの発生)が少しあったのでやろうかと。




ブレーキキャリパーのOH(フロント) (1/2) → 0.整備しないとこうなる、1.キャリパーOH

ブレーキキャリパーのOH(フロント) (2/2) → 2. フルード入れ、エア抜き~4.清掃、確認して完了

※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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0. 整備しないとこうなる

0-1. スラッジだらけになる


ネジが緩まず、9年,13万km以上ノーメンテ のフロントブレーキ。

なめていたフルードタンクのネジを頑張って外し

キャリパーを開けてみたら...




スラッジだらけのブレーキキャリパー
スラッジだらけのブレーキキャリパー2



なんじゃこりゃぁ…。

まるでドブからすくい上げたみたい…。 泥や砂のようなスラッジがいっぱい。

ダストシールも劣化してだるだるだ…。



0-2. 危険なブレーキタッチ

スラッジだらけのキャリパーはジャダー



スラッジだらけのブレーキキャリパーは危険、
ブレーキの遊びを越えるとすぐにガツンッと強くブレーキが掛かります。

それと ゴリゴリと振動してフロント大暴れ。 キャリパーピストンの戻りが鈍い、または戻らないのでローター表面の凹凸に追随できないからです。 (こういう振動を ジャダーと言うらしい。)

おまけに パッドの引きずり も。 フロントを浮かせて勢い良くホイールを回しても摩擦でタイヤは2,3回転してすぐ停止。これではパワーロス。



1. キャリパーのオーバーホール

1-1. 事前の作業


まず フルードタンク周辺をマスキング。 フルードは塗装を侵します。と言ってもラッカー塗装でもなければ大丈夫。燃料タンクとかは塗装が強いので。

フルードタンクのふたを開ける


ハンドル右、
フルードタンク、ここはネジが固着しやすいのでちゃんと開くか確認しよう。


ダイアフラム


開けるとあるのはダイアフラム。タンク内のフルードが少ないとびよーんと右のようになっているが、そんな事はどうでも良いのでフルードが飛び散らないようにはめ直して。



1-2. キャリパーピストン、フルードを抜く


まず 車体からキャリパーを外す。六角8mmで。 ブレーキパッドも外す。

では キャリパーピストンを抜いていく。

ピストンはブレーキピストンプライヤーがあれば楽なんだろうが、持ってないので別の方法で抜く。


ピストンが出てくる


ブレーキレバーを"にぎにぎ"、どんどん押し出してピストンを抜き取る。
フルードがドバーっと垂れるので廃油受けの上で。

2つのピストンの一方だけを先に抜いてしまわないこと!
一方が抜けるとエアが入るので、他方はブレーキを握っても出てきません。 じゃあ指で摘んで抜けるかと言うと固くて抜けません。 ちょっと面倒になります。

一方だけが突出して抜けそうな場合はタイミングを調整しよう。
使い終わったブレーキパッドなどを噛ませ、ピストンをひとまずその場に待機させる。

両ピストンともグラ付いて、いかにも抜けそうなら、どちらを先に抜いてもOK。
残った方は指で簡単に抜き取れます。


バンジョーボルトを外す


ピストン、フルードが抜けたら車体に軽く組み、

バンジョーボルトを外し、キャリパーをフリーに。



(ピストン同時抜き取りに失敗したら)

片方のキャリパーピストンが抜けたけどもう一方が残った


あぁ…、ピストン同時抜き取りに失敗…。

上に書いたけど何ちゃらプライヤーは持ってないので こうなったら空気の圧力で押し出す。
ひとまずバンジョーボルトを外してキャリパーをフリーに。


抜けたピストンを元の場所に固定


抜けたピストンを元の場所に軽くかぶせ、使い終わったブレーキパッドなど噛ませ、固定。
(この時は鉛筆を噛ませたけどペシャンコ、失敗。)


空気入れで残ったピストンを押し出す


次に フットポンプ(空気入れ)を用意。
適当なアダプタを取り付け、空気漏れを防ぐためビニルテープを巻く。

これをバンジョーボルトの入っていた穴に差し込みシュコシュコ、空気が入って、ポンッ!!

抜けなかったピストンが飛び出します。

(抜けるとき中のフルードが霧状になって飛び出す。タオルを被せてやった方がいい。)




1-3. キャリパーを分解、清掃、部品交換

オイルシール、ダストシールチェック


ピストンが抜けたらダストシール、オイルシールをチェック。 3年ほど前に換えたので劣化なし。


キャリパー分解清掃


キャリパーを完全に分解。 拍子抜けする部品数。

水とナイロンブラシでゴシゴシ清掃、 ダストブーツ内の接触部分はグリスアップ。

以前 シールのはまる溝にあったアルミサビを紙やすりでゴシゴシ落とした気がする。 今回は問題なし。



キャリパーピストンのさび、汚れ
キャリパーピストン清掃


外したピストンもゴシゴシ錆び、汚れ取り。

耐水ペーパー2000番やサビ取り消しゴム等で水平方向に磨く。

錆は落としてもまた出てくる。換えちゃうのが一番良いと思う。 2000円程度だから。




1-4. キャリパーを車体に組み付け

キャリパー組み立て


清掃、乾燥が済んだら組み立て。

ピストンはフルードを潤滑油にして押し込む。 ブレーキパッドも取り付け。



バンジョーのクラッシュワッシャ


車体に取り付けてブレーキホースをバンジョーボルトで締める。

ここの クラッシュワッシャーは要交換。 内径10mmの1mm厚。

続いてフルードを入れて、エア抜きします





・キャリパーピストンプライヤー
(キャリパーピストンツールとも)
片押し2ポッドキャリパーぐらいなら無くても。
高いような安いような工具。



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