『メカニカルシール交換 (ウォーターポンプ分解)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

メカニカルシール交換 (ウォーターポンプ分解)


ラジエーターキャップを外すと……、「なんじゃごりゃぁぁぁ!」

エンジンオイルが冷却水に混じってる…。 触ってみると指がヌルヌル、テカテカ。

ウォータポンプのボディ底部の穴からオイルや冷却水が漏れている場合はシール交換。


※ 2018年3月 内容改訂。 前回は不覚にもメカニカルシールの一部の交換に留まってしまいました。新品の部品を取り寄せて仕組みが理解できたのでやり直し。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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トラブルの原因

ラジエーターキャップにドロドロが...

上の写真の通りラジエーターキャップがドロドロに。

どうやら 冷却水の経路にエンジンオイルが入り込んだ らしい。



設計上、オイルと冷却水は混ざらない

△ ウォーターポンプボディを縦切りにした 断面図

オイル冷却水、それぞれのポンプは一つのシャフトで回されていますが、上のようにそれぞれ 隔離 されています。

図中、赤で示したのがメカニカルシールの肝、ゴム製シール。 バネで強く密着している。
これによって冷却水は漏れないし、オイルが冷却経路にやって来ても遮断される。



ウォーターポンプ ボディ底の 穴から排出される仕組みもあって 混ざらない対策が二重に施されている。

ちなみに走行中、オイルはポンプの負圧によって引き戻される仕組みなので漏れにくいはず。 逆に冷却水は圧が掛かるので漏れやすいはず。



なぜオイルが混じったか…


混ざらない仕組みがあるのになぜ冷却水にオイルが混じったのか??

以前、仕組みを知らずに 穴から漏れるオイルを止めようと、詰め物をして塞いじゃったから…。

かくして逃げ道を失ったオイルは劣化したメカニカルシールを超えて冷却経路に侵入したのでした。



交換する部品


1. メカニカルシール (49063-1055)
2. オイルシール (92049-1336)
3. ウォーターポンプガスケット (11009-1886)
4. オイルポンプOリング (92055-1437)
5. Oリング 内径16mm (670B2016)、 図中には無いが O リング内径18mm (670B2018) も。




ここから作業に入ります。



1. 冷却水を抜く

冷却水の抜き方、入れ方はこちら → 冷却水の交換

オイルは多少たれるが抜かなくて大丈夫!



2. ウォーターポンプ カバーを外す


ボルトは3箇所、8mmレンチで外す。

パイプは矢印方向に引っ張れば抜けますが、ボルトで固定されているのでそれを外してから。8mmで。


あとはマイナスドライバーなどで こじってカバーを外す。 簡単に外れます。

中に残った冷却水が少し垂れる注意!



3. ウォーターポンプ ボディを外す


インペラ(スクリュー)を外す。10mmのT型レンチで。

逆ネジじゃないから普通に反時計回り。



ウォーターポンプボディはバールなどを掛けて手前に押し出す。

ボディの下2箇所、ボルトの部分にノックピンがあるので左右均等に。 ある程度浮いてきたら抜き取ります。

ボディ奥、オイルポンプのアウターローターを落とさないよう注意。 あとオイルが多少たれるかも注意。



4. メカニカルシール、ウォーターポンプボディ取り付け

4-1. ボディ、カバーのガスケット剥がし


ウォーターポンプボディに残ったガスケットの残りカスはスクレイパーで剥がす。

ボディにある邪魔なノックピンはペンチでがっちり掴んで引っ張れば取れます

ガスケットがある程度はがれたらオイルストーンで綺麗に仕上げ。



オイルポンプの仕組みでも書きましたがボディ裏、オイルポンプのローター、その周辺に傷があると油圧が低下します。 傷があっても即問題とはならないけど心配なら交換。



4-2. メカニカルシールを外す


圧入されているメカニカルシールは内掛け式ベアリングプーラーで外します。

ポンプボディ内壁はメカニカルシールの青いガスケット?で汚れてる。



オイルシールはメカニカルシールの奥。ほじったら外れた。



4-3. メカニカルシールを装着


メカニカルシールを装着する。
まずは青いガスケットで汚れたポンプボディ内壁を2000番ペーパーで優しくなぞり、綺麗にしました。


オイルシールを適当なソケットをあてがってハンマーで打ち込む。

フロントフォークのオイルシール圧入に似た作業。 潤滑しなかったせいで少し手強い。



メカニカルシールの部品は2つ。右の方をポンプボディに打ち込む。

左のはインペラに打ち込むのか? 同じ部品を使うバルカンSのパーツリストにはこの部品の使用が確認できるが、バリオスのパーツリストでは確認できない。



ボディに打ち込むのでメカニカルシールにあてがう物が必要ですがちょうど良いものなんてなかなかありません。購入したベアリングプーラーに付いてたパイプ(およそ内径28mm、外径32mm)が何とか使えました。

メカニカルシールにパイプをあてがってハンマーで強く叩きまくる。 圧入しやすくするためポンプボディは予め熱々にして膨張させました。

上手いこと叩き入れることができました。 メカニカルシール圧入完了!



メカニカルシールの余ったもう一つはやっぱりインペラ用でした。

熱湯でゴムを柔らかくし内側をドライバーでほじったら外れました。 装着はシリコーンオイルを薄く塗布、手で押し込むだけでした。


4-4. ウォーターポンプボディ取り付け


あとは車体に戻して組みつけていくだけ。 インペラは回転方向を考えるとそんなにがちがちに締め付けなくても大丈夫。

ウォーターポンプカバー取り付けの際は液体ガスケット併用 がおすすめ。
あとになって「漏れる…またバラさなきゃ…」ってことになるとかなり面倒。(でした…)


冷却経路のパイプ取り付けの際はのOリングめくれ注意。 真っ直ぐ押し込んで。





・内掛け式 ベアリングプーラー (中国製 簡易式)
使ったのはコレ。
ホイールベアリングにはわけあって対応不可。



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関連:
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