シリンダーヘッドの外し方
クランクケースはそのままに、シリンダーヘッドだけ外す事が出来ます。
その外し方の手順。 取り付けも軽く。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
1. 予めの作業
カムシャフトを外すのに邪魔になるので テンショナーを外す。 8mmのレンチで。
その他、
マフラーを外す。
ラジエーターを外す。
キャブレターを外す。
2. オイルホースを外す
ヘッドからオイルホースを外す。 ボルトを8mmのレンチで。 ホースは引き抜く。
ここはエンジンオイルの通り道。 クランクケースからヘッドへと送る経路。
3. ヘッドに乗っかってる物を取り除く
ヘッドカバーを外す。 ボルト4本は10mmのレンチで。
プラグキャップは引き抜いて。
カムシャフトキャップを外す。ボルト16本は8mmのレンチで。
バルブスプリングの反発があるので応力の集中に気を付けて。 外側のボルトから内側のボルトへ、全体を少しづつ緩める。
カムシャフトも外します。
どちらが吸気、排気側かわかるように置いておこう。
分からなくなったら写真の矢印部分をチェック。溝の有り無し。
4. カムチェーンガイドを外す
車体前方のカムチェーンガイドは引き抜く。 上から引っ張るだけ。
車体後方のカムチェーンガイドは六角6mmでボルトを外し、ヘッドとの結合を解く。
ここのガイドは外すとなるとエンジンカバーも外さなければならない。 ヘッドにしか用が無いなら外さず置いておこう。
5. ヘッドボルトを外す
ヘッドを固定するボルトを10mmのレンチで外します。
まあまあ固いけど柄の長いレンチなら大丈夫。
見落としがちなのが カムチェーン側、奥にあるヘッド固定ボルト。ここは8mmのレンチ。
6. シリンダーヘッドが外れる
あとはフィンのあたりをバールでちょっとテコればヘッドは簡単に浮きます。
ノックピンはヘッド後方、左右に1つづつ。
ヘッドの左右を持って横から抜き取る。
外さなかったガイドが邪魔になる。 ヘッド右側を目一杯持ち上げてクリアする。
車体のフレームもうまくクリアし、左へと抜き取ります。
落としたり、底部あわせ面に傷が入らないよう慎重に作業!
外れました! 底部あわせ面に傷をつけないよう布の上にヘッド様を鎮座させる。
この状態で裏返すとタペット、シムが外れてごちゃごちゃに。
どれが何処に入っていたのか分からなくなる。
ちゃんと外して管理できる状態にしてからいじくり回そう。
7. シリンダーヘッドを組み付ける
トルクレンチ無しで締め付け
シリンダーヘッドガスケットは新品に。
増し締めで再使用する人もいるようだけど圧力の掛かるシビアな所なので今回は新品に。
全体を覆う黒いゴムのようなものが液体ガスケットの代わりになるので高耐熱ガスケットフィットみたいなものは不要だ。
ノックピン、ガスケットをシリンダーに乗せてヘッドを元の場所に。
「締め付けトルクは分からないけどバラす前にメモった回転角で...」と思ったけど、よく考えたらガスケットの状態が違うんだから無理か…。
結局、感覚でとにかく固く締めこみました。 そのせいでカムチェーン付近のボルトの受け側が破損…。
順調に走れました
いいかげんに締め付けてから5万kmほど走りましたがなんら問題ありませんでした。
「なんだかんだ上手く行っちゃったな~」と思ってたんだけど、
問題は外すときに起こった ↓
ボルトが固すぎて外れない
いいかげんに固く締め付けたヘッドボルト、外そうにもボルトが固すぎて外せない。
思いっきり力を込めてまわそうとすると、ボルトが舐めるんじゃなくてソケットが広がって舐める。
なんとか外せたボルトが5本、 壊れたソケットが6個…。 こんなにソケット壊す奴いる?
結局、ディスクグラインダーでヘッドごとボルトの頭をカット。
座面を失ったボルトは簡単に回りました。 このヘッドは補修してまた使おう。
と言う事で、弄ろうと考えてる方は必ずトルクレンチは入手してください。
ZXRシリンダーヘッドボルト規定トルク
φ6mm: 12N・m (1.2kg・m)