『ピストン重量 揃え』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


ピストン重量 揃え


高速で往復するコンロッドやピストンの重量は、より軽く、揃っている方が望ましい。

コンロッドの方はすこし軽量化し、重量を揃えた

こんどは コンロッドの上に載るピストンの重量を揃える。



※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


- 広告 -

1. 重量計測


1/100g単位で量れるデジタルスケールを使用する。

1/100g単位ともなると計測のたびに重量が微妙に変わってくるから、土台を作って計測のたびに対象物の位置がズレない工夫を施した。



1stリング、2ndリング、オイルリング、ピストン、ピン、スナップリング。
重量を計測して、メモ …



 1番2番3番4番
1stリング1.681.691.741.68
2stリング1.681.681.691.68
OILリング1.741.711.701.72
ピストンピン17.0317.0216.9816.97
ピストン61.0561.0961.0361.02
単位 (g)
(スナップリングは全部 0.22gなので省略。)




1stリング
→ 1つ他より少し重いが、今回ピストンリングは純正でなく、中国製。しかも自前の追加加工を施したものなので仕方ないか。

その他リング
→ 中国製とは言えほぼ揃ってる。組み合わせ次第でどうにかなるレベル。

ピストンピン
→ 中古なので多少バラつきがある。

ピストン
→ これも中古。 他より0.05gほど重いものが一つあるな。 少し調整してみる。


関連: 怖いほど安い 中国製 AHLピストンリングを使ってみた




2. ピストンのバリ取り


計測の結果、ひとつのピストンが他より0.05gほど重い。

削って重量のバラつきを抑える。


ピストンは圧力を受け止めるシビアな部品、軽量なアルミで出来ていて初めから肉抜きもされているので今回 大胆な軽量化はしないことに。



2-1. バリ取り


ピストンには、線状、突起状の "バリ"、立体的な "刻印" が存在する。

それらをヤスリで削って綺麗にします。


線状のバリ、ダイヤモンドやすりでスリスリ。 簡単に綺麗になります。



ピストン内側の立体的な文字の刻印。これも不要な部分。 サンドペーパーで平らにしました。

これで0.05g 落ちました。

さすが アルミ、軟らかいけど手間の割りに重量は落ちない。



2-2. 削りNG ピンボス


ピストンピンにオイルを供給する穴、ここは下手すると汚れで詰まるので、
オイルの通りを良くするため、ピストンピンボスに水平に新たな穴をあけてみた。
(ピストンピンボスとは、ピストンピンの軸受けのこと)

しかし…

非常に強い圧が掛かる部分であるため、削りなどは "基本NG" らしい事が判明。
…このピストンは使わないことに。


いろいろ検索したけど、「ピンボスに垂直に穴あけ加工」って記事を一件確認できただけ。 チューンしてる多くの方がピンボスにノータッチ、 触らぬ神に何とかって奴だ。


2-3. 削りNG 網目


ピストンヘッドの裏側、網目状になっている。

どうやら放熱のためらしい。

これは 削らない。



3. 重量を揃える


各部品を重量のバラ付きが少なくなるよう均等に分けていく。

均等に...と言っても  1.74とか  16.98とか  数字がごちゃごちゃ。

少し悩んでしまったが簡単だった↓



 1番2番3番4番
1stリング0160
2stリング1120
OILリング4102
ピストンピン6510
ピストン3210


上のように 各部品ごとに 最も軽いものを0、それとの重量差を書き出して、さらに整数に揃えれば分かりやすい。



 1番2番3番4番
1stリング0061
2stリング1102
OILリング2104
ピストンピン6501
ピストン0231
合計9999

値の大きいものを1~4番に割り振って基軸にすると考えやすい。

こんな具合に合計が揃うパターンを発見できた。




結局、誤差もあり、調整し直して 83.55 g (±0.01g)で揃えることができました。

0.01gは避けがたい誤差なので気にしないことにしよう。

そもそもカーボンなどがピストンに付着すればズレてくるから 1/10g 単位で揃っているだけでも十分過ぎるのかなと思って。





広告

関連:
バルブ鏡面化
ポート研磨
コンロッド鏡面化・軽量化

広告


広告

-広告-

バイク用品&インプレッションウェビック

↑ PAGE TOP

フッター