オイルフィルターに磁石を貼るだけの清浄化カスタム
オイル内の鉄粉を除去する”磁石カスタム”。
貼るだけ。やらにゃ損。
5000km走行後のオイルフィルターを分解、その効果を見てみる。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
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インデックス
0. オイルの鉄粉除去について
1. ネオジム磁石でオイルフィルターを強化
2. 鉄粉除去の効果は…
3. まとめ
4. 改良する
4-1. 強力ゆえのデメリット
4-2. マグネットバンドで解決
4-3. マグネットバンド自作
5. ネオジム磁石の温度の限界は?
0. オイルの鉄粉除去について
オイルに混じった鉄粉(※1)を除去するアイテムはある。
磁石付きのオイルフィルター、
磁石付きのオイルドレンボルト などだ。
繰り返し使えるドレンボルトは良いとして、磁石付きのフィルターは価格がちょっと高くなるんだよな。そこがネック。
※1. オイルに混じる鉄粉とは
エンジン内でこすれ合う金属は削れて鉄粉となる。オイルフィルターでも捕まえきれない微細なそれはオイルに混じてエンジン内を循環し続ける。鉄粉は研磨剤となり金属部品の摩耗を早める。あまり神経質にならなくても大丈夫だけど鉄粉は無いに越した事はない。
なぜか中国のショッピングサイトでオススメされた磁石。
いや、磁石なんかいらんわボケ、と思ったら…、なるほど!
オイルフィルターカートリッジの外側に強力な磁石を付けて鉄粉除去ってわけか!
これでいいじゃん。
1. ネオジム磁石でオイルフィルターを強化
早速、強力な磁石、ネオジム磁石を購入。
中国から買ってもダイソーで買っても価格はほぼ変わらない。amazonだと安いね。
ネオジム磁石をオイルフィルターカートリッジに装着!
接着剤の類は不要。磁力だけでOK。すごい手軽。
もっとたくさん付けるに越した事はないけど強力ゆえに付け外しがけっこう大変になる。後で改良します。
では、この状態でしばらく走ります...
2. 鉄粉除去の効果は…
5000km以上は使用しました。 磁石の効果を見てみる。
上はそれぞれネオジム磁石なし/あり。磁石の付け方は横一列に変更して使用してました。
磁石をマスキング、さて鉄粉が取れてるかグラインダーでカートリッジを分解してみよう。
オイルフィルターカートリッジはふちの部分をグラインダーで削ると分解できます。
カシメ部分が取れるとバネでせり上がって外れます。
んでオイルフィルターカートリッジを分解すると中身はこんな感じ。
観察...、
これは鉄粉にちがいない!
磁石のフチの部分にしか鉄粉が付かないのは意外。
指に取る。色はシルバー。やっぱり摩耗によって出た鉄粉だろう。
磁石を動かすとオイル交じりの鉄粉もグネグネ動く。
グラインダーで削った鉄粉は焼けて黒いからこんな色じゃないし、中に入り込む隙間もなかったからね。
3. まとめ
オイルフィルターにたった数百円の磁石を貼るだけのカスタム、
鉄粉除去の効果ありました。
もちろんこのネオジム磁石は貼り替えれば繰り返し使えます。
貼る磁石は最低でも4つぐらいは必要かな。
たくさん貼るに越した事は無いけど大変になる。
なので改良しました▼
4. 改良する
4-1. 強力ゆえのデメリット
磁石はたくさん付けるに越した事は無い。外周に隙間なくね。
しかし、
強力な磁石ゆえに面倒とイライラが多い。
▼ イライラポイント
・重なった磁石を剥がすのが大変。
・貼る時に極が合わず隣り同士で仲たがい。
・車体フレームに近づけすぎて貼り付く。剥がすの苦戦。
・勢いよく貼り付いたときに衝撃で割れちゃう。
と言った具合。たくさん付けると手間が増え、だいぶストレス。
4-2. マグネットバンドで解決
強力磁石のイライラは上の商品で解決できる。
これなら着脱が一発で決まる! ストレスも無くなるだろう。
でも、磁石たったの6個かい…。
ほか探してもこれ以外ないしなー、
もう自作しちゃおう。磁石いっぱい、着脱がストレスなく一発で決まるやつを。
4-3. マグネットバンド自作
自作のために磁石を買い足し。
ナイロンの巾着を裁縫し、バンド状にして磁石をいれるカバーとする。
たくさん並べた磁石の列をセロハンテープで固定する。
テープは2,3枚重ねて強度を上げる必要があるぞ。
試着。うん、隙間なく磁石で巻ける。着脱も一発! これいいな。
「耐熱テープで一列に固定して完成!」...で良いと思う。
さて、私は当初の予定通り、ナイロンの巾着でカバーを作り、磁石をしまい込んで完成!
フレームに近づけると持ってかれる。滑り込ませるようにして装着!
5. ネオジム磁石の温度の限界は?
さて、実は磁石の磁力、温度によって弱まってしまう事がある。
これを”温度減磁”と言うそうな。
▼ 磁石は50℃が限界?
上で紹介したオイルフィルターマグネットバンドの商品説明には「ふつうの磁石は50℃で限界…」などとある。
確かに標準的なネオジムは20℃の磁力を100とすると50℃で95%に落ちてしまうが、たった5%だ。(ちなみに100℃でも90%。)
よって50℃が限界なんて事は無い。しかし80℃以上になると”初期減磁による不可逆減磁”が起きる。低下した磁力が戻り切らなくなるって事だ。
▼ 磁石は80℃以上になるのか...
一般走行でも水冷車のオイルは120℃程度になることもある。磁石をフィルター外周に装着する方法でも磁石は80℃を超えるかもね。
それで不可逆な初期減磁が起きたとして、これが繰り返される事で磁力は落ち続けるのか? 下限は?
とりあえずここら辺は使ってみて確かめることにしよう。
▼ 心配なら耐熱磁石を
心配なら耐熱性のあるネオジム磁石を。このとき「耐熱 X℃」の表示が何を意味するのかに注意。
磁力を失ってしまう限界点であるキュリー温度は通常のネオジム磁石でも300℃程度と十分だ。そのキュリー温度うんぬんではなく、初期減磁の起きる温度が130℃以上であれば安心できるだろう。 初期減磁の温度に注目して選ぶ必要がある。