『キャブレターのオーバーホール(2/3)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


キャブレターのオーバーホール (2/3)

キャブレターのオーバーホール


キャブのゴムパーツが劣化してガソリンが止まらない!

オーバーフロー。 自力で直すよ。

フロート室を開けた。 2ページ目、パーツを外して、洗浄。

関連: キャブの外し方






キャブレターのオーバーホール(1/3) → 「 0. 症状など 」 ~ 「 2.フロート室を開ける 」

キャブレターのオーバーホール(2/3) → 「 3.フロートバルブを外す 」 ~ 「 6. 洗浄作業 」

キャブレターのオーバーホール(3/3) → 「 7. バルブシート装着 」 ~ 「13. キャブレター同調」


※ 厳密にはOHでなく分解、清掃、一部の部品を交換をします。
※ 写真の撮影時期が結構バラバラなのでつながりがおかしかったりしますがご了承下さい。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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3. フロートバルブを外す

フロートのネジを外す
フロートバルブは吊るされてるだけ


ネジを緩めてフロートを外す。

フロートバルブはフロートに吊るされてるだけ。外します。



4. バルブシートを外す

バルブシートはネジザウルスで外す


バルブシートを外す。ネジザウルスが適してる。
滑らずしっかり掴めて、シート内壁に傷を付ける心配が無い。

普通のペンチでやるならシート内壁を傷つけないように厚く布を噛ませるなどして引き抜く。
Oリングが劣化していたり、ガソリンの乾く前だと比較的抜けやすいがミスると内壁を傷つけるのであまりお勧めはできない。


フロートバルブシート ゴミが…

左は7年分の錆、ゴミが溜まったバルブシート。汚い。 完全に潰れて弾力を失ったOリングもありました。(Oリングサイズ:内径7.5mm 線径は1.5mm)

バルブシートはあとで洗浄するので、ゴムのOリング、フィルターは外しておきます。 どちらも小さなマイナスドライバー等でこじれば外せます。



5. ジェット類の取り外し

5-1. フロート室 周辺

ジェット類取り外し


● スロージェット
・マイナスドライバーで回して外します。 (奥まっているけど特別長いドライバーとかは不要。)

● メインジェット と ホルダー
・下部(ホルダー)は8mmのメガネレンチで外します。
・上部(メインジェット)はマイナスドライバーで回して分離します。

● パイロットスクリュー
・マイナスドライバーで回して外します。 (奥まっているけど特別長いドライバーとかは不要。)
・Oリングとワッシャーが付いてますが内部に残ってしまうことがあるのでしっかり回収して下さい。
・キャブクリーナーで侵さないようOリングは外して置いておきます。


5-2. バキュームバルブ 周辺

フタを外す
バネを抜き取る


バキュームバルブを取り出す。

まずネジを外して蓋を開ける、バネは摘んで抜き取る、


バキュームバルブ取り出し


バキュームバルブはゴムを傷めないように引き抜いて。

次いで、洗浄する部品をバキュームバルブから取り外します。



ジェット類取り外し2


● ジェットニードル
バキュームバルブに入っているだけなので引っくり返して取り出します。

● バキュームバルブに付いている小さな筒状の部品
穴にはまっているだけなのでつまんで取り外します。 空気の通り道となる金属部品です。



※. ジェットニードルの磨耗、寿命

ニードルジェットの寿命


ジェットニードルには磨耗による寿命がある。 自分の経験では 大体 12,3万kmの使用で問題が出てくる。 上の写真は12万km使用したニードル。矢印のあたりが黒くなっている。この位置から必要以上に混合気が漏れて汚れたんだろう。

トラブル時の症状としては混合気が濃くなるので、エンジン温間時の始動不良、アイドリング不安定、アイドリング音のガサ付き、エンジン低回転時の軽いボコつき、加速の伸びが重い、など。

油面の高さは正常なはずなのにって場合はこのニードルが怪しいぞ。


ニードルの受け側


ニードルの受け側、真鍮製のこちらは10数万kmぐらいの走行では問題が起きるほど磨耗しないが、いざ交換と思ってもキャブに圧入されていて外せそうもない。

キャブによっては外して交換できるようだがパーツリストにも部品がないからこのキャブは外せない仕様なのだろう。 磨耗による問題がある場合はキャブ本体を交換するか、ニードルの根元を削って薄い方向に調整するか…。


ちなみにこれらの磨耗、金属同士が擦れ合うことで起きるものと思っていたが、勢いよく吹き出す混合気によって磨耗するそうな。タンクの錆などが混ざってればなおさらか。



6. 洗浄作業

6-1. 洗浄に使用するケミカルとツール

洗浄に使用する キャブクリーナー

キャブレタークリーナー
汚れを溶かして落とすキャブクリーナー。 ものによってはゴム、プラスチックを侵します注意。
今回使ったのは左のSoft99のキャブクリーナー。 YAMAHAのは評判が良いので買ってみましたが両者に大差は無いです。

・パーツクリーナー
キャブクリーナーと、それによって浮き出た汚れを流すため。


洗浄に使用する エアーコンプレッサー

エアーコンプレッサー
ナカトミ CP-1500。 強力な空気圧で狭い通路の詰まりも吹き飛ばす。 これがあればどんなに汚いキャブでも綺麗に出来ます。



6-2. ジェット類を洗浄

ジェット類 洗浄


外した金属部品をフロートチャンバーに入れ、キャブクリーナー噴射。

2,30分置いて汚れが浮いたら、ひとまずパーツクリーナーで綺麗に。


ジェット類 洗浄


次に エアコンプレッサーでジェットの小さな穴をバシュッ!
明るい所にかざして穴がしっかり丸く見えればOK。

ジェットは1/100mm単位でラインナップされたりする繊細な部品。
針などで穴をつつくと広がって走りが変わってしまう。やらないよう注意。



6-3. バキュームバルブ洗浄

バキュームバルブの汚れ


バキュームバルブ、汚れが蓄積すると作動不良に。

ゴム部分は避け、キャブと接触する樹脂部分にキャブクリ、時間を置かずに汚れを拭き取る。

ゴムの痩せ、劣化が見られる場合は早めに交換を。

関連:
キャブのピストンバルブ(バキュームバルブ) 中国製で費用を88%オフする方法



6-4. キャブ本体を洗浄

バラバラにせずキャブ洗浄


今回、キャブは連結を解かずにやってます。(解かない理由と解き方は4連キャブの連結を解くにて。)

キャブ本体のゴム、樹脂パーツは避けていろんな穴にクリーナーを噴射。

2,30分置いて、ひとまずパーツクリーナーで綺麗に。

仕上げはエアコンプレッサー。 スロー系の小さな穴には念入りに噴く!


スターター経路をあける


チョーク...、正しくはスターター、この経路 は上のように開けて...


スターター経路の清掃


緑丸の穴を指で塞いで、赤丸の穴をエアコンプレッサーで噴けばしっかり通ります。



6-5. 注意点


◇ キャブクリーナーは噴いた後いつまでも放置すると、せっかく浮いた汚れやら何やらと共に乾いてしまい、返ってスロー系の穴を塞いでしまいます。
余程ガビガビのジャンクキャブでもなければ2.30分放置で十分。


◇ キャブ本体の エアーコンプレッサーによる清掃はくれぐれも念入りに!
中途半端にやると数十kmおきにスロー系が詰まってエンスト なんて事になります。 実際になりましたので。




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