『キャブレターのオーバーホール(3/3)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

キャブレターのオーバーホール (3/3)


キャブのゴムパーツが劣化してガソリンが止まらない!

オーバーフロー。 自力で直すよ。

すべての清掃は済んだ。3ページ目、組む作業。

関連: キャブの外し方






キャブレターのオーバーホール(1/3) → 「 0. 症状など 」 ~ 「 2.フロート室を開ける 」

キャブレターのオーバーホール(2/3) → 「 3.フロートバルブを外す 」 ~ 「 6. 洗浄作業 」

キャブレターのオーバーホール(3/3) → 「 7. バルブシート装着 」 ~ 「13. キャブレター同調」


※ 厳密にはOHでなく分解、清掃、一部の部品を交換をします。
※ 写真の撮影時期が結構バラバラなのでつながりがおかしかったりしますがご了承下さい。
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


広告

7. バルブシート装着


バルブシートはOリングを装着、フィルターも組みなおす。

傷の防止&本体に装着しやすくするため Oリングにはシリコングリスを薄く塗布。


バルブシートはネジを回して押し込んで入れる。
しかし、Oリングが新品だと反発でシートが斜めになりがち。 マイナスドライバーなどで押し込んで 水平を保ちながら入れていく。



8. バキュームバルブ装着


バキュームバルブ、元通りにしてキャブに組む。

組んだ後、必ず正しく動くか指で確認! 空気の抵抗で、上がり、下がりが少しゆっくりなのが正常な動作。

バネが上手く組まれていないと途中で引っ掛かったり、バキュームバルブ、または蓋が上手く組まれていないと空気の抵抗をあまり感じなくなります。



9. パイロットスクリュー装着


規定は、”締め付けて底づきした所から1と3/4回転戻し” ですが、個々の状態によって最適な戻し量は変わってきます。

規定値で濃すぎることは無くても、薄すぎることはあるはず。

「規定量戻したからOK」と考えず、キャブを取り付けた後も調整可能ですから、走行と調整を繰り返して最適な戻し量を探ると良いです。



ちなみにOリングはこのまま使用した。 この潰れた状態でも空気の進入は防げるはず。


関連: パイロットスクリューの調整



10. スロー、メインジェット装着


元通り締めるだけなので省略。



11.油面調整


油面の高さは混合気の濃さにとても影響する重要個所。
純正のフロートバルブでもは一応チェック。社外品バルブはロッドの長さの違いから油面調整が必要になることも。必ずチェック。


まずフロート、フロートバルブを元通り組む。

油面調整の方法は2通り。 簡易的な方法厳密な方法。 前者をおすすめします。


A. フロート高で調整  (簡易的な方法)

簡易的な方法。

1.フロートをあげる。
2.フロートバルブがシート面に接地。
3.ロッドが沈み込む手前でフロートをストップ.....
フロートの高さを計測するのはこの状態。

キャブを引っくり返して計測しようとするとフロートの重さでロッドが沈んでしまうので、
計測はキャブを地面に立てて行います。



フロートチャンバーの合わせ面から、フロートの最上部までの高さを13mmに。

サービスデータには”13±2mm”となっていますが1mm前後するだけでかなり変わるので注意。

フロートバルブがヘタっていると油面が高くなるのでその時は14,15mmなどにするとちょうど良くなります。



高さ調整は、フロートの金属部分 を(-)ドライバー等で押し曲げて行います。




B. 実油面で調整  (厳密な方法)

厳密な方法。

1. ドレンにホースをつなげ、ドレンボルトを緩めておく。
2. 燃料タンクを繋ぎ、キャブ右側にある線が地面と水平になるように置き、燃料を流す。
3. ドレンから抜けた燃料はホースを上がっていき、フロートバルブが通路を塞いだところでストップ...
ホース内の油面が、キャブ右側にある線の下、9.5mmならOK。

違っていたらフロートの高さを調整して再チャレンジ。これを4つ全てに実施して高さを揃えます。

この方法はいいかげんにやっても上手く行きません
やるなら本体やホースを綺麗にしっかり配置、固定して。 めんどくさいよ。



12. フロート室を閉じる


フロート室を閉じる。本来ここのパッキンは換えるべきですが再使用。

そのままでは滲む。 困ったときの 耐ガソリン液体ガスケット モトシール1先生。



13. キャブレター同調


丸部分のネジで、隣り合うバタフライバルブの開き具合が変えられます。

ひとまず 4つ全ての開き具合が同じになるようにネジをいじりましょう。
まず両サイドのネジから。真ん中のネジをいじるのは最後。

しっかり同調を取るのは車体に組みつけてから。 ま、この目視で取る同調だけでも十分。

関連:キャブレター 同調の調整




念のため組み立てが終わってから燃料を入れてオーバーフローがないか確認、 … 漏れ無し!

正常になったキャブで走ってみると力強い加速にびっくり!




← 前のページ
 キャブレターのオーバーホール (2/3)
次のページ →
 

広告

関連:
キャブレターの同調
パイロットスクリューの調整
キャブの外し方
4連キャブの連結を解く
中国製キャブレターパーツセットでコストカットを狙う
キャブのピストンバルブ(バキュームバルブ) 中国製で費用を88%オフする方法

↑ PAGE TOP