『リアサス(モノサス)交換 (2/2)』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス

リアサス(モノサス)交換 (2/2)



 前のページではサスを外すところまで行いました。

 では、摩耗チェック、新サス取り付け。






リアサス(モノサス)交換 (1/2) → サス外しまで

リアサス(モノサス)交換 (2/2) → 酷い摩耗、社外サス装着




※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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インデックス

5. 摩耗をチェック
   5-1. 軸はスリーブ、受けはベアリング
   5-2. 26万kmノーメンテだとこうなる

6. 部品注文、スリーブは流用で

7. 部品交換、グリスアップ

8. 新サスを取り付け

9. YSSサス取り付け完了




5. 摩耗をチェック


5-1. 軸はスリーブ、受けはベアリング



 まずは構造を観察。サス上部(※)を除いて摺動部は以下が主なパーツ。

・ニードルベアリング…グリスで潤滑されてる。
・スリーブ…ベアリング内を通る。摺動部の軸。筒状。
・オイルシール…ベアリング内のグリスを保つ。

上記の3つが摩耗、劣化する。


 ベアリングに挿入されたスリーブは左右に飛び出す長さで、中を通るボルト、ナットで左右から締め付けられ完全に固定され摺動部の軸になる。 だからボルトは基本的に摩耗しない。


 ※.サス上部にはベアリングもスリーブも無くボルトが軸。ハイグレードなサスはベアリング付きだったりするが。




5-2. 26万kmノーメンテだとこうなる



 あら、キレイ。

18年、26万km走って何も整備してないとは思えない。

 グリスは乾いておらず、動きも滑らかだ。




 よく観察すると多少の摩耗はあるようだ。
 外側の二重線はオイルシールによる摩耗、内側ニードルベアリングに当たる面は変色で摩耗してるのが分かる。

 この状態でもグリスは保持していたし、ガタ付きもほぼ感じられないレベル。

26万km越えでもまだ行けそうな状態でした。





 一カ所については大問題…

 グリスが完全に乾いてた!

 小気味よい金属音が鳴り出したと思ったらコンクリの上にパラパラと落ちるニードル。普通はこんな風に取れません。




 こちらスリーブ。もうここまで来ると一周まわって感心する。固着に近い状態だったのか?

 摩耗具合を見るとベアリングよりスリーブの方が柔らかいようだ。圧入されるベアリングは簡単には換えられないからな。





6. 部品注文、スリーブは流用で




 では部品の注文、…って、あれ?…、

「スリーブ は 販売終了」… どうすんの …


 でも、実は、

内/外の径は同じ、"長さだけ違う" ってスリーブは結構あるんだな。

…つまり、他車の長いスリーブ削れば良いだけ。


 具体的には、Ninja400用。もっと長いのはZZR400、ZX-6Rなどのスリーブ。

 オイルシール、ベアリングについては代表機種からしてこれからも余裕で手に入りそう。 そもそもベアリング(18BM2416)はKoyoってメーカーの汎用品みたいだし。

 サス周辺部品の販売終了は心配無用!






7. 部品交換、グリスアップ



 あらゆる摺動部をグリスアップして組む。

ここはシビアだからちゃんと "二硫化モリブデングリス"。


 超絶怒涛の摩耗ベアリングだが、部品が届くまで待っていられない、グリスアップして戻しちゃおっと。

 → その後、ちゃんと ベアリング交換




 グリスの適量がわからん…

 塗りすぎると動きが渋くなる。でも多い方が安心する。

 …多めにしときますか。




8. 新サスを取り付け



 外す時とは逆の手順で新しいサスを取り付ける。

 とりあえず各部のボルトを入れて行こう。


 ロッカーアームのボルトは車体左側から入れると次回はマフラーを外さなくても整備できるようになるかも…



(ボルト/ナット共回り防止措置)


ボルト(またはナット) を本締めする。

 本締めの際のボルト/ナットの共回りを防ぐため、締めるのとは反対側にスピンナーハンドルを掛けて固定しておく。


 タンデムステップや地面を利用して固定できるから一人でも出来る。



〇 締め付けトルク
・サス上下の取り付け部 … 49N・m (5.0kg・m)
・その他の部分 … 59N・m (6.0kg・m)

(ただしこれらは純正M12ボルトの場合。もし社外サスでM10の場合は25~34Nmだろう。)



9. YSSサス取り付け完了



 取り付けたのは、YSS の CBR250R用サス。 たったの\9,000。
複雑な加工入りませんが、ポン付けは無理でした。

 取付長295mmはバリオス純正より10mm長いだけ。足つきはほぼ変わりません。
 流用に必要なもの、その他のYSSサスについてはこちら

 簡単に新しいサスの感想、
ダンパーが生きてるってすばらしい!!






・YSS ハイブリッドリアサスペンション CBR250R (MC41)専用
コスパ重視 10,000円を切るYSSのGAS DTG。
欠点はプリロード調整の不便さ。
ツインチューブで乗り心地よろしい。




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関連:
リアサスのプリロード調整
CBR250R用のYSSサス流用 (バリオス)
ニードルローラーベアリング交換 (モノサス周辺)

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